私の甥っ子が悪夢障害で学校を休みがちになっていました。
私自身も高校生の時に不眠症に悩まされていたので少しでも力になりたいと思い、甥っ子と一緒に悪夢障害の解消に取り組みました。
悪夢のために眠れないのはとても辛いことです。
同じように悩んでいる人のための助けになればと思います。
悪夢障害とは
悪夢障害とは睡眠障害の1つです。
悪夢障害の診断基準は下記となります。
1.中途覚醒(夜間の目覚め)が繰り返しみられ、そのときにかなり不快な夢が思い出せる
2.夢は恐怖や不安、怒り、悲しみ、嫌悪感など不快な感情を伴う
3.目を覚ましてからも悪夢の内容をはっきり思い出せる
4.悪夢で目が覚めた後、再び寝つくのに時間がかかる
5.明け方に悪夢を見る
※1、2、3は必須。4、5はいずれか片方だけでよい
「悪夢障害」を知っていますか
悪夢障害によりぐっすり寝られなくなり睡眠不足により生活のリズムを崩してしまいます。
特に成長期である中学生高校生には心身共に辛い障害となります。
一刻も早く治す必要があるのですが、あせりは禁物です。
実際に私の甥っ子も治そうとあせったり「寝ないといけない」というプレッシャーが積み重なり、悪夢障害を更に悪化させてしまいました。
自分に合った解消・改善方法を見つけてゆっくりと治すことが大切です。
解消・改善のためには親の助けも必要
悪夢障害の解消・改善には子供自身の行動と気持ちが大切なのは当然ですが親の助けも必要です。
もしくは私の甥っ子のように他の親族や友人が助けても良いかと思います。
とにかく一人で取り組むよりも「誰かと一緒に取り組む」ことが大切です。
一人で悩んでいるとマイナスな方向に考えてしまうのが人の性です。
また一人で行うと継続もしにくいです。
人は『誰かが応援してくれている』と思うと頑張れるものです。
また気持ちが前向きになります。
子供を一人で頑張らせることのないようにできることを助けてあげましょう。
高校生・中学生が悪夢を見る理由
高校生・中学生の時期は思春期にあたるため心も体も成長が著しい時期になります。
体の急激な成長があるこの時期はホルモンバランスも崩れやすく、睡眠中もぐっすり寝られないことがあります。
また心の成長時期は精神的に不安定になりすぐにイライラしてしまったり、不安や緊張をこれまで以上に感じるようになります。
感情のコントロールが定まらず、またコントロールになれていない思春期だからこそ、精神的にとても不安定になってしまい悪夢を見やすくなってしまうと言われています。
悪夢の種類
甥っ子に話を聞いてみると決まった悪夢ではなく毎晩違った夢を見ていました。
大きく分類すると
- 人または動物などに追いかけられる
- 大勢の前で恥ずかしい思いをする
- 知らない場所で遊んでいる
この3つになりました。
自分なりに勉強をしてそれぞれの悪夢の意味を調べてみました。
悪夢の意味
①人または動物などに追いかけられる
甥っ子が具体的に見た夢は
- 年上の大柄な男性に大声で怒鳴られながら追いかけられた
- ジャングルでトラやゴリラに追い回された
- 家で刃物を持った強盗に追いかけられた
このような『追いかけられる』夢を見るときはプレッシャーを感じている時だそうです。
プレッシャーを感じながら寝ると強迫観念が生れ、気持ちが落ち着かない中で寝ることになります。
また不安を感じている時もこのような悪夢を見るようです。
自分よりも大きなものや強いものに追いかけられるのは精神的に追い詰められている状態です。
『追いかけられる夢』=プレッシャー・不安と覚えておきましょう。
②大勢の前で恥ずかしい思いをする
甥っ子が具体的に見た夢は
- 自分だけパジャマで登校し笑われる
- 街中で裸で放置される
- 歌の発表会で自分だけ音痴
このような『恥ずかしい思いをする』夢を見ている時は自分に自信がない時だそうです。
人の前で恥をかいている夢を見る時というのは「人から認められていない」という思い込みをしているときに多いそうです。
自分の行動に対して人の目が気になり、することなすことすべて人から変な目で見られていると思ってしまいます。
『自分は人とは違う存在なんだ』
『自分は人よりも劣っている』
と考え込んでしまうときにこのような人前で恥をかいてしまう夢を見がちだそうです。
③知らない場所で遊んでいる
甥っ子が具体的に見た夢は
- 未来都市のような場所で空飛ぶ車に乗っている
- 南の島の海岸で砂遊びをしている
- 行ったことのない田舎町で知らない人と遊んでいる
このような『知らない場所』の夢を見るときは現実逃避をしたい時だそうです。
『いまの自分に納得がいかない』
『いまの自分を変えたい』
『いまの生活が嫌いだ』
そう思っている時に「知らない場所の夢」を見るようです。
現実の世界とは違ったことをしたいときや、現実を受け入れられないときに心が自然と現実とは違った場所や環境を求めてしまいます。
そのような思いが夢に反映すると言われています。
夢で訪れた場所や環境が自分が心で望んでいる場所とは限らないそうです。
単純に「今とは違う場所・環境に逃げたい」という気持ちがそのような夢を見る原因だそうです。
悪夢の原因
上記の悪夢の意味をまとめるとこれらのことが悪夢の原因だと考えられます。
- プレッシャー
- 不安
- 自分に自信がない
- 現実逃避
すべてマイナスなイメージばかりです。
悪夢を見てしまう原因は『負の気持ち』なのです。
特に精神的に不安定な青年時代だからこそ、気持ちに波があり寝る前に一人で考え込むと負の気持ちになりがちです。
私の甥っ子もそうでしたが、寝る前の少しの工夫でこの負の気持ちを抑えることができます。
この負の気持ちをポジティブな方向へ持っていくことで悪夢を見ることが少なくなり、自然と夜ぐっすりと寝られるようになります。
悪夢障害の改善5つ方法
ここでは私が甥っ子と一緒に取り組んだ悪夢障害の改善のための5つの方法を紹介します。
個人差はあるかと思いますが、参考にしていただければと思います。
ちなみに私の甥っ子は下記の方法を試してみて1ヶ月程で悪夢を見ることがほとんどなくなりました。
寝る前のスマホをやめる
まずこれに取り組みました。
甥っ子は眠れない夜はいつもスマホを眠くなるまでしていたそうです。
スマホを見ながら寝落ちをして、悪夢で目覚めるというのを繰り返していました。
スマホをやめさせた理由は主に2つです。
ブルーライトが睡眠を妨げる
ブルーライトは催眠作用のあるホルモンの分泌を抑制してしまいます。
寝る前のスマホをやめるだけで入眠をしやくなり、熟睡もしやすくなります。
ネガティブな情報を取り込まない
悪夢を見ないためには不安な気持ちを少しでも取り除く必要があります。
またネガティブな気持ちを取り除く必要があります。
甥っ子はスマホでゲームをよくしていました。
ゲームをすると楽しいのですが、うまくいかないとイライラしてしまったり、うまくいかない事に対して不満を募らせてしまっていました。
またSNSも気を付ける必要があります。
SNSは多くの情報を得るのにはとても役立つ媒体ですが、情報は決してポジティブなものばかりではなりません。
むしろネガティブな情報の方が多いこともあります。
また自分がSNSを行っていると「他人から良い人間に見られたい」というプレッシャーにかられてしまいそれが悪夢に繋がってしまうと言われています。
パジャマを変えてみる
甥っ子はいつも部屋着のジャージをパジャマとして使っていました。
部屋着のジャージやスウェットをそのままパジャマとして使っている人も多いのですがそれは避けた方がいいです。
ジャージやスウェットは袖口などにゴムが使われていることが多く、その締め付けが睡眠には不向きだと言われています。
締め付けが強すぎるとそれが気づかないうちに体へのプレッシャーとなり悪夢を見ることに繋がってしまいます。
オススメのパジャマの素材は
- コットン
- 絹(シルク)
体への負担が少なく肌触りも良いためリラックスして寝ることができます。
音楽でリラックスしてみる
音楽は寝る前にリラックスするためとても助けになります。
しかしその音楽のジャンルには気を付けましょう。
避けるべきジャンルは
- 激しい音楽
- 歌詞のある音楽
- お気に入りの音楽
①はなんとなく分かるのですが②歌詞のある音楽と③お気に入りの音楽はどうして避けるべきなのでしょうか。
歌詞のある音楽を避けるべき理由
歌詞のある音楽は歌詞に感情がのってしまうことがあります。
例えば、失恋ソングなどを寝る前に聴いてしまうとその歌詞に気持ちが引っ張られてしまい気持ちがネガティブになりがちです。
できるかぎり歌詞のない選曲をしましょう。
お気に入りの音楽を避けるべき理由
お気に入りの音楽なら元気になる選曲だからいいんじゃないのと思いがちですが、気持ちが乗りすぎてしまう事に気を付ける必要があります。
お気に入りの音楽は何らかの思い出があるかと思います。
思い出とは良いものもあれば悪い思い出もあるはずです。
悪い思い出は一度頭に思い浮かべてしまうとなかなか消えません。
なので、できるかぎり思い出が少ない音楽を選ぶべきです。
歌詞の入っていない、気持ちをリラックスさせてくれる曲をまとめてみましたのでよろしければこちらを寝る前の音楽として使ってみてください。
また寝る前に音楽を聴く時に気を付ける事がもう一つあります。
音楽をかけっぱなしで寝ないように気を付けてください。
寝る前の音楽はリラックスできるため効果的なのですが、寝た後にも音楽が流れ続けていると睡眠の邪魔をしてしまいます。
日記を書いてみる
不安を取り除く一つの方法として日記を書くことをおすすめします。
人は自分の思っていることを文章などにまとめると脳が整理されて考えがまとまると言われています。
日記はその脳の整理にうってつけの方法です。
日記を書くのが苦手という人もいるかと思います。
そんな人は簡単なことから始めてみましょう。
こんなことを箇条書きで書くこともいいかもしれません。
- 行った場所
- 食べたもの
- 印象に残った言葉
- 面白かった人
ポイントは『頭の中で一日を振り返ること』です。
一日を振り返ることで頭の中が整理されて自然と不安が軽減されます。
未来日記を書いてみる
普通の日記に慣れてきたら『未来日記』を書くこともおすすめします。
『未来日記』とは文字通り、次の日に起こってほしいことを前の晩に書くことです。
ポイントは『ポジティブなことを書く』です。
次の日が明るい一日になるようなことを書いてみましょう。
例えば私の甥っ子はこんなことを書いていました。
- 大好きなじゃがりこチーズ味を食べる
- ゲームでハイスコアを出す
- おばあちゃんからお小遣いをもらえる
とにかく自分のテンションが上がるような内容を書くことが大切です。
この未来日記を書いていると自然と気持ちが前向きになり、
不安や緊張が消えて悪夢を見なくなります。
良い夢を見る方法
悪夢を見なくなったら次のステップとして良い夢を見られるようにしてみましょう。
良い夢を見ることで更に睡眠の質を上げることができます。
良い夢を見るための方法をこちらの記事で紹介しています。